えすわいのボックス

中になにかガラクタを入れたり入れなかったり

ヴァリアンツ 紹介・解説<MD>

 ※筆者はMDから遊戯王を始め、MDのみを遊んでいる一般決闘者です。好きなテーマの一つであるヴァリアンツの布教のために執筆しました。

以下常体

 

ヴァリアンツとは

 ヴァリアンツとはボードゲームモチーフのペンデュラムテーマ。テーマのモンスター達がPゾーンから真正面のゾーンに前進したり、モンスターゾーンを移動することで効果を発動しながら展開・妨害を行う。また、逆に相手を真後ろの魔法罠ゾーンに押し込むギミックが存在することが特徴。和風な水属性魔法使い族の「真羅万象」陣営と、ロボットみたいな炎属性機械族の「百識公国」陣営の2種類+αが存在する。また、テーマ内のエースとして融合モンスターが存在する。

 メイン下級は無条件で、上級は同陣営のモンスターかフィールド魔法が存在する場合、自身のP効果により前進することができる。これにより、召喚権を残した状態でモンスターの展開が可能である。ただし、下級の効果で前進すると、以降EXデッキ以外からヴァリアンツモンスター以外の特殊召喚ができなくなる制限がつく。よって、Pデッキの強ムーブであるアストログラフマジシャンの手札からの特殊召喚や咎姫によるエレクトラム墓地蘇生は使用できない。一方、EXデッキからであればいいため、他PモンスターをEXデッキから特殊召喚することは可能。

 メインモンスターのPスケールは全て1であり、上スケールはテーマ融合モンスターやテーマ外のカードで補う必要がある。

 また、メインモンスターにレベル2,4,6,8が各陣営に、融合にレベル10,12が存在しているため、それら偶数ランクのX召喚が活用しやすい。

 このようなテーマの制限を踏まえて、ヴァリアンツは

を自由に用いて展開を行うデッキであるといえる。

 今回、ヴァリアンツのテーマカードに加えて話しておきたい数カードについて紹介し、最後に展開における個人的な考え方を記す。

 

テーマカード個別解説

メインモンスター

 前述の通りスケールは1であり、P効果に下級上級それぞれの前進効果を持つ。下級の前進効果による以降の制限と、下級の起動効果は特殊召喚されている場合でないと発動できない点には注意。

 個人的には、東雲>>>>>>>(超えられない壁)>>>>>ヴァイカント>マーキス>西園=南月>バロン>デューク>北条の順でアクセスしたいイメージがある。

 

東雲

 

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真羅万象陣営のレベル2

起動効果:ヴァリアンツ魔法サーチ

移動効果:ヴァリアンツモンスターサーチ

 かわいい子。

 宇宙最強カード。テーマカードを2枚サーチでき、さらにはサーチした魔法のソロアクティベートがPモンスターに変わるため、1枚でPモンスター3体分になる。Pテーマはスケール2枚とP召喚するモンスターの3枚初動と言われるほど手札の1枚の価値が高い。ヴァリアンツも例外ではないが、しかし東雲はその余りあるパワーで例外をもたらす。また、フィールド魔法にもアクセスできるため、泡影拮抗ケアが可能になる。泡影を当てるならここ。テーマカードを数多く揃えるためのカードであるため、うららは手札次第で貫通。エレクトラムからアクセスしてもその消費を補えるだけのパワーがある。盤面に残しておいて相手ターンにアルクトスの移動からサーチするのもワンチャン。

 

バロン

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百識公国陣営のレベル2

起動効果:モンスター横移動

移動効果:魔法罠のモンスター横移動

 ちょっと小柄なバスターみたいなのを備えたBのロボット。

 無条件で前進できる下級であること自体が偉い。前進に条件のある上級では最初の手数にならないので、下級という事実をありがたく思う。サーチの優先度は下がるが、適当に盤面を1つ増やすことができる。ヴァリアンツにおいては起動効果の横移動も重要であるため、それが無条件で出せるというのは本当に偉い。移動効果はおそらく使う場面がない。移動させるカードが複数枚必要かつ移動先から前進できる盤面の難易度が高すぎる。

 

西園

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真羅万象陣営のレベル4

起動効果:コイントス 表でモンスター効果無効 裏で攻撃半減

移動効果:コイントス 表で破壊 裏で手札バウンス

 兄ちゃん。

 後手捲り担当カードではあるが先攻展開でも用いる。先攻ではアルクトスと並べることで2面除去が狙える。ランク4の素材にもなり、魔法族の里用の魔法使いとしてパキケ里盤面の構築に大きく寄与する。後攻では運ゲー効果無効によりモンスターの妨害を踏み、移動時の除去により魔法罠の妨害にも触ることができる。移動させるカードで上級の南月を有効に使えるのもポイント。

 

ヴァイカント

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百識公国陣営のレベル4

起動効果:EXのヴァリアンツを魔法罠ゾーンに置く

移動効果:EXのヴァリアンツをPゾーンに置く

 警棒みたいなのを構えたVのロボット。

 展開でアクセスしたいカード第2位。東雲のサーチ先筆頭。確実にカードを増やすことができるモンスターは東雲とヴァイカントのみ。起動効果で置いたカードはフィールド魔法で前進でき、盤面を伸ばすことができる。エレクトラムの破壊コストを無料で用意するのにも利用できる。この効果でおいたカードは永続魔法であり、Pスケールにはならないのに注意。移動効果は、展開で出した融合モンスターをPゾーンに置くというテーマ内でスケールを揃えるほぼ唯一の方法。置いたモンスターが自身のP効果で前進することでも盤面を伸ばせる。展開に絡めやすいレベル4なので自然とランク4素材に使える。

 

南月

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真羅万象陣営のレベル6

起動効果:モンスターを横移動

移動効果:魔法罠ゾーンのヴァリアンツを前進

 ニンジャ。

 真羅万象陣営の上級。横移動効果により東雲のサーチ起動や西園の除去の起動を行いがちである。東雲単体初動時はソロアクティベートで真っ先に持ってくるが、それは横移動効果持ちかつ上級が故の使いづらさみたいな面がある。上級であることで融合モンスターを出せるため、触れられるなら触れたい。グランデュークのP効果で移動させてそのままグランデュークを前進させるムーブが存在するが、そもそもグランデュークが自身の効果で前進できるため、位置によってはそんなことする必要がないと思う。

 

マーキス

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百識公国陣営のレベル6

起動効果:コイントス 出た目だけ山上めくってヴァリアンツサーチ

移動効果:コイントス 2~5なら魔法罠のモンスターを前進

 砲身を備えた重装備のMのロボット。

 確実にカードを増やすことができるモンスターは東雲とヴァイカントのみだが、マーキスは運ではあるがカードを増やすことができる効果を持っている。東雲+テーマフィールド魔法orソロアクティベートの状況ならば、東雲の移動効果の起動が担保されているため、筆者は積極的にマーキスで上振れを狙いに行く。めくれる前提の立ち回りは、Pモンスターが足りなくなる場合があるので注意。加えて、めくりにいこうとして上級の前進効果の制限を忘れるなんてことがないようにしたい。移動効果はあまり使わない。南月と違ってテーマ外のモンスターも前進できるが、そもそも下級の制限により関係ない場合がほとんど。しかも運。実は南月含めレベル6のモンスターであるため、モンスター1体リリースのアドバンス召喚ができる。どういうことかというと、裏側にされてて展開に使えないモンスターや、ターンが帰ってきてのパキケファロをリリースできる。

 

北条

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真羅万象陣営のレベル8

起動効果:魔法罠ゾーンの表側カード手札バウンス

移動効果:Pゾーン含めヴァリアンツ融合

 おっさん。

 起動効果でポジションチェンジを使い回し、移動効果で幻中の融合召喚につなげるためのカード。よって、採用するならば始まりの地とポジションチェンジと幻中とのセットになりそう。起動効果は表側の魔法罠ならなんでもよいため、ユニオンキャリアーで装備したデビルフランケンを回収する極悪ムーブが存在した。相手のカードも戻せるため、相手の装備魔法や永続罠、Pスケールも剥がせる。移動効果の融合は諸々の都合により本当に幻中を出す以外の使い道が今のところ存在しない。

 

デューク

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百識公国陣営のレベル8

起動効果:セットされた魔法罠の発動封じ

移動効果:相手メインモンスターゾーンの表側モンスターのコントロール奪取&ヴァリアンツ化

 大剣を構えたDのロボット。

 後手まくり担当カード。上級故に西園より扱いが難しい。起動効果により相手の伏せを1枚踏める。バックに触る貴重な手段ではある。移動効果ではコントロール奪取が可能。奪ったモンスターはヴァリアンツになるため、上級を奪えばそのまま融合モンスターに変換することができる。西園は単体で引いても運ゲー効果無効で動けるが、上級のため、同陣営の下級やフィールド魔法が必要になる。バロンと合わせて持っていると前進から移動までできるのでベスト。一応、アルクトスで相手ターンにコントロール奪取を狙える。マスカレーナのL素材を増やしたり、西園と同時に動かして3枚除去も夢ではない。北条が動かせれば、奪ったモンスターを素材にして幻中を融合できる。尚要求値。

 

融合モンスター

 共通してP効果に前進と自陣モンスター横移動効果を持つ。メインモンスターと異なり上スケールを持つ。融合モンスターではあるが、まともに融合が必要なのは今のところ幻中のみ。

 

グランデューク

 

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百識公国陣営のレベル10 スケール10

召喚条件:EXモンスターゾーン縦列の上級ヴァリアンツをリリースして特殊召喚

出たとき相手魔法罠ゾーンのモンスター手札バウンス&バーン&打点上昇

 なんか雑に出せる融合体。移動させたり、ヴァイカントの起動効果で置いたのをフィールドで前進させるなどで条件を満たせる。雑に出して素材にしてEXに表側で加わった後にヴァイカントの移動効果でPスケールに置くことで、ようやくテーマ内だけでP召喚が可能になる。非常に回りくどいが、軌跡の魔術師ではなくアポロウーサを立ててからP召喚するために、この方法でスケールを揃えるなどという運用がたまにあった。魔法罠ゾーンに押し込んだラヴァゴーレムやクシャトリラを登場時にバウンスすることで、大きなバーンダメージと打点上昇により削りに大きく貢献できる。EXモンスターはEXデッキに帰ることで手札に戻らないため、バーンと打点上昇の処理が行われないことには注意。雑に出せるため、2体揃えてランク10を立てるルートが存在するらしい。

 

幻中

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真羅万象陣営のレベル10 スケール10

召喚条件:ヴァリアンツ3体融合

メインフェイズフリーチェーン:相手メインモンスターゾーンの効果モンスターの魔法罠ゾーンへの押し込み

破壊時Pゾーンへ移動

 かっこいい。しかし、非常に出しづらい。融合をするには必然的に北条が必要である。また、3体融合であるため消費が大きい。3枚消費で1枚除去の妨害になると考えるとその重さがよくわかる。妨害の質としては、墓地効果も許さない押し込みは質の高い除去と言える。万が一、PデッキがPゾーンの前にモンスターを出したら、それを押し込むことで相手のP召喚を封じることができる。運用に難があるのが非常に惜しい。

 

アルクトスXII

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第三勢力の天使族地属性レベル12 スケール12

召喚条件:フィールドの上級ヴァリアンツ2体リリースして特殊召喚

フリーチェーン:メインモンスターゾーンの2体の入れ替え

誰でもモンスターの移動時1枚選んで破壊

 強い。場に上級ヴァリアンツを2体揃えるだけで召喚できる。単体で見ても2枚消費で1枚除去の妨害である。こいつが優秀なのはフリーチェーンで移動ができること。これにより、相手ターンに移動効果が使えるようになり、東雲のサーチや西園の除去、北条の融合やデュークのコントロール奪取で相手ターンの妨害やアドバンテージ獲得につながるようになった。こうして最終盤面でのヴァリアンツ度が上がることになった。移動させる効果と破壊効果にワンテンポのラグがあるのが注意。また、コントロール奪取はモンスターゾーンを移動するため、相手に奪われるとそのまま破壊効果が起動されてしまう。気をつけたい。実は移動するモンスターは相手2体でもよい。対ドラゴンリンクでピスティとストライカーの位置を入れ替える嫌がらせができることを思いついたのでここに記しておく。

 

魔法

真羅万象

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フィールド魔法

発動時:百識公国の送りつけ

フィールド魔法が2枚あれば前進

 真羅万象陣営のフィールド魔法。発動時にもう一方の陣営のフィールド魔法を押しつけてヴァリアンツウォーを始める。テーマフィールド魔法は相手の場にカードを置けるため、展開途中の無限泡影や返しの拮抗勝負のケアが可能。デッキ内にもう一方が存在しない場合、発動ができない。フィールド魔法の効果はお互いが使用できる。すでに相手がフィールド魔法を置いても、それを墓地に送って上書きする。地味に神碑の泉やアンデットワールドなどを剥がすことができる。

 展開効果を持つ方。ヴァイカントの起動効果で置いたモンスターを前進させて盤面を伸ばすのが理想。被ったヴァリアンツをフィールドの前進効果で出力することで、無駄なく手数につなげることができる。ヴァリアンツ以外も前進できるため、下振れでの出力ができる。フィールド魔法だけ他Pデッキに出張することがあるらしい。

 

百識公国

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フィールド魔法

発動時:真羅万象の送りつけ

フィールド魔法が2枚あれば正面のモンスター押し込み

 百識陣営のフィールド魔法。発動時にもう一方の陣営のフィールド魔法を押しつけてヴァリアンツウォーを始める。

 除去効果を持つ方。ヴァリアンツの後手の強みの一つ。この押し込み効果によって相手モンスターの妨害を1つ踏むことができる。ヴァリアンツにおいて両端は危険地帯。押し込んだ先に魔法罠があればついでにそれも除去できる。自分で壊獣やラヴァゴーレムを好きな位置に送りつけてそのまま押し込んでもよい。相手にこの効果を利用されてしまうのは厄介なため、展開途中でなんとかしておく必要がある。遊んだおもちゃは片付けよう。自分が百識公国を発動し、相手に真羅万象を送りつけるのが理想。自分のフィールドはエレクトラムやアルクトスなどを用いて破壊することで、ケアを兼ねながらフィールドの効果を使えないようにできる。真羅万象を送りつけておくことで、自分フィールドに別のフィールド魔法を置いてもPデッキでない限り無害。もしも残ってしまった場合は、スプライトエルフの対象耐性やアルクトス即起動でモンスター除去などが求められる。

 

ソロアクティベート

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通常魔法

ヴァリアンツモンスターのPゾーンへの設置

墓地効果:フィールド魔法存在時モンスター横移動

 最強だった東雲がさらに最強になったカード。つまりは好きなヴァリアンツをデッキからリクルートできる。東雲と相互にアクセスできる点が非常に強い。フィールド魔法が必要だが、墓地効果で移動させることができる。これによりポジションチェンジが必須ではなくなり、デッキスロットに余裕が生まれた。このフィールド魔法は相手のものでもよいため、後攻では西園置いて前進から運1無効と相手フィールドただ乗り移動1除去というムーブも可能である。

 

始まりの地

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通常魔法

テーマフィールド魔法のサーチ+場のPカード破壊でポジションチェンジサーチ

墓地効果:落ちた次のターンから使用可能 EXからヴァリアンツをPゾーンに置く

 Pモンスターをコストにフィールド魔法と移動させるカードを揃えることができるカード。コストをまかなうことさえできれば、展開が非常にしやすくなるカードである。デッキ内にPモンスターを多めに採用することでコストをまかないやすくなる。一方で、素引きしたポジションチェンジがあまり強くない点や、ソロアクティベートの移動効果で移動が足りるというケースが存在する。フィールド魔法は1枚引くととても強いが、2枚以上重ねて引くとものすごく弱い場合が多く、また、東雲でサーチが可能であることから、1枚採用するかどうかである。墓地効果は次のターンのリソースとして非常に強力である。東雲を置いて展開を再開したり、融合モンスターを置いて再度出したりと様々な動きができる。

 

ポジションチェンジ

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永続魔法

モンスター横移動

 「ヴァリアンツ」テーマカードではないカード。始まりの地によるサーチが可能。継続して移動効果の起動ができる。北条とセットで採用してバウンスすることが目的になりそう。手札に戻ったものは使い回したり、相手ターンのトロイメアユニコーンのコストに充てたりすることができる。

 

テーマ外重要カード

エレクトラ

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P2体リンク

出たときEXにPモンスターを置く

起動効果:表側カード破壊でEXのP回収

Pゾーンから離れると1ドロー

 Pデッキ最強カード。使いたいテーマ外Pモンスターや東雲などの足りないパーツをかき集めるためのカード。前進効果ではドロー効果は起動しない。起動効果のコストをPゾーンにすると1ドローできる。Pゾーンに置いたカードをそのまま回収することで1ドローだけしたり、フィールド魔法をコストにして確実にPモンスターを手札に揃えたり、素引きしたテーマ外Pモンスターを割ってEXに送ってついでに1ドローしたり、エレクトラムがいる状態で始まりの地を使って1ドローを狙ったりと色々利用できる。個人的にはフィールドコストにして確実にPモンスターを手札に抱えたい。色々利用できるものの、アストログラフマジシャンが使えないため、ヴァリアンツにおけるエレクトラムは宇宙ではなく+1くらいのイメージ。それでも十分強い。EX経由なため、うららをケアして上スケールを回収することもできる。

 

軌跡の魔術師

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P含む効果モンスター2体リンク

EXモンスターゾーンに出たときライフ1200コストでPモンスターサーチ&P召喚までモンスター効果P効果制限

リンク先異なるレベル2体がP召喚で2枚破壊

 ヴァリアンツ超重要カード。基本的にこのカードで上スケールをサーチしてP召喚を行う。東雲とエレクトラムで必要カードを集めた後に行うイメージ。サーチが名称ターン1じゃないため、うららを受けても、もう一度出すことで貫通できる。サーチ後効果制限がかかるので、すぐにP召喚するものと思ったらよい。P召喚による2枚破壊は盤面の処理に大きく寄与する。この効果を発動させるのが後攻展開の指針としてもよいと思う。Pデッキにおいては、エレクトラムより先に軌跡からP召喚をして展開を始めるという選択肢があると頭の片隅にでも入れておくと何かの役に立つかもしれない。例えば、先に軌跡で泡影やうららなどの誘発を受けてからエレクトラムや東雲で展開を再開するなど。

 

上スケール

 メインヴァリアンツのレベルは8まで存在する。一方で、レベル8の北条とデュークは運用が難しいため、構築によってはそれら2種をP召喚しない前提で考えてもよい。従って、上スケールとして運用可能なスケールは7以上である。このような条件のカードなど無限に存在する。

 

EM稀代の決闘者

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スケール8

P効果:ダメステ開始時デッキの魔法除外で戦闘破壊耐性&戦闘ダメージ半減&手札に戻る

 上スケール筆頭候補。P効果で戦闘破壊耐性を与えられる。パキケファロに添えるのが注目されるが、別にアポロウーサやマスカレーナに添えても強い。

 

ケンドウ魂 KAI-DEN

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スケール9

P召喚時Pゾーンから手札に戻る

 縛りの無いスケール9以上のPモンスター。同条件に該当するカードは同系列に2種存在する。北条などを採用し、レベル8をP召喚する可能性がある場合は採用される。要するにカジュアル向け。地味にPゾーンが空くため、ヴァリアンツの展開を阻害することがない。手札に抱えたままにしておくことで、次ターンのPスケールの確保もしやすい。

 

超重神童ワカ-U4

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スケール8

チューナー

P効果:もう一方のPゾーンにデッキから超重武者Pを置いて特殊召喚

 ヴァリアンツにおいて、P効果で設置するのは、縛りのないスケール8のサン-5が基本。スケールが変わるデメリット効果は軌跡で無効にできるためあまり気にならない。

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ヴァリアンツにおけるワカU4は宇宙を創造できるカードではない。役割としては、

  • 自力で特殊召喚できる手数
  • 上スケールの用意(自身&サン5)
  • レベル4チューナー

の3点が主。めちゃくちゃ強いカーテンライザーくらいの立ち位置。特に意識しなくてもチューナーが用意できるため、シンクロ召喚を戦術に取り入れやすくなった。レベル6ヴァリアンツとでバロネスを作れるようになったのがわかりやすい。以上のことにより、展開の安定性を増加させ、妥協盤面の水準を引き上げるカードだといえる。

 

展開指針

 以下はヴァリアンツを手癖で回している人間の個人的な考え。

 最終盤面に必要なパーツを逆算して揃えることが重要である。L召喚するだけなら頭数を揃えるだけでよいが、X召喚するならば該当するレベルのヴァリアンツを意識的に触れることを心がける。テーマ融合モンスターを出すならば上級にアクセスすることを意識する。

 他のカードに触れたり展開を伸ばしやすいカードは以下。

  • 東雲(テーマ魔法サーチ、テーマモンスターサーチ)
  • ヴァイカント(EXから盤面供給(テーマフィールド魔法下)、EXからPゾーン設置)
  • マーキス(ランダムテーマサーチ)
  • ソロアクティベート(テーマモンスター設置)
  • エレクトラム(実質Pモンスターサーチ、1ドロー)
  • 軌跡の魔術師(Pモンスターサーチ)

以上のカードで必要なパーツをかき集めることで展開していく。

 ヴァリアンツの展開が複雑だとされる要因にカードの位置が重要になるという点が上げられる。こちらも、最終盤面において誰をどこに置くかをあらかじめ意識しておくとよい。ヴァリアンツにおいて位置を参照する要素は

  1. 前進
  2. 横移動
  3. グランデュークの特殊召喚
  4. リンク先

の4種類が存在する。

 1つめの要素は単純で、Pゾーンの正面を空けていつでも前進できるように意識すればよい。上級モンスターは、P召喚前の出せる内に出してP召喚で供給する立ち回りをすれば下級を残して展開する必要が減る。相手フィールドに置いてあるテーマフィールド魔法が何であるかを覚えておけば間違えにくい。

 2も、移動させたいのならその隣のゾーンが空くように意識すればよい。と言っても、展開で使いたい移動効果の東雲は最序盤で、ヴァイカントはスケールを揃えるために使うことが多いため、意識せずとも空いている場合も多い。後手で妨害を踏むための西園やデュークも同様であるため、困りやすいのは幻中を出すための北条になるであろう。北条を展開の最後に相手フィールドの真羅万象を参照して前進し、スケールのグランデュークやポジションチェンジで移動させ、Pスケールを使って融合するという流れで幻中を出すというのがわかりやすいか。

 3のグランデュークは、ヴァイカントで置いてフィールドで前進する場合とP召喚時に、上級をEXモンスターゾーンと同じ縦列に置くこと程度を意識すればよい。

 4のリンク先については、P召喚前の盤面には軌跡の魔術師が存在することが基本であるため、そのリンク先である、中央と左右どちらかのモンスターゾーンを空けて展開する癖をつけるとよい。また、前進することがないテーマ外の上スケールは、リンク先の下のPゾーンに置くと間違いが少ない。

 P召喚前までにはある程度誰が何の素材になってこの場所に置くという最終盤面の見立てがある程度できるため、各種素材にして目的のスペースを空けるように意識すればよい。正直、最終盤面にヴァリアンツモンスターを構えるほど展開がややこしくなるものと考えた方がよい。ランクで里パキケするよりカジュアルで幻中を出す方がややこしい。

 後攻は手数。フィールドや西園、デューク、手札次第ではエレクトラムで妨害を使わせ、東雲でリソース回復からの軌跡で盤面処理、そのままL召喚中心にキルを狙うパターンが多い。5300アクセス+3000アルクトス=8300を一つの目安として使っている。雑にP召喚で並べただけで打点が足りるケースもある。フィールド魔法と合わせてグランデュークがライフカットに大きく貢献できる。余っている召喚権で妨害を踏めるモンスターを採用する構築もある。最強カードである東雲にアクセスするためにスモールワールドを採用して、ついでにそれら返し札にアクセスすることもできる。百識公国ヴァリアンツとうらら、ラヴァゴーレムはそれぞれ炎属性でつながりやすい。

 

まとめ

 ヴァリアンツはその独特な展開方法、東雲からの爆発力、構築自由度の高さが特徴のPテーマである。他Pテーマと異なり、東雲1枚展開の存在やPスケールの偏りによるPスケール事故と無縁であることから、比較的安定した展開も可能で使いやすい。ランクで制圧しても、カジュアルで変な展開・妨害をしたり変な最終盤面を目指してもよい。使っていて面白く楽しいテーマであるためぜひ遊んでほしい。

 

おまけ

最強盤面展開例

初期盤面:レベル6ヴァリアンツ+Pモンスター+ヴァリアンツフィールド(効果未使用)+手札ヴァイカント+手札西園+手札コスト+召喚権

※要求が多く見えるが、東雲とソロアクティベート、運がよければマーキスのめくりでも用意できる(例:東雲+ソロアクティベートorテーマフィールド魔法+テーマレベル6orレベル4 1体+手札コスト)。画像では西園の代わりに稀代を引いており、軌跡のサーチと入れ替わっている。

 

 場のP2体でエレクトラムL召喚

→効果でEXに竜剣士マジェスティPを送る

→ヴァイカントPスケール設置から前進

→ヴァイカント起動効果レベル6ヴァリアンツをEXモンスターゾーンと同列に置く

→置いたヴァリアンツをフィールドで前進

→リリースしてグランデュークを中央以外に特殊

エレクトラムフィールドコストでレベル6ヴァリアンツ回収

→ヴァイカントとエレクトラムでリンク先にグランデュークを避けて軌跡の魔術師をL召喚

→効果で稀代の決闘者サーチ

→軌跡側のPゾーンに稀代、反対側に西園をPスケールに設置

→EXからヴァイカントとマジェスティP、手札から回収したレベル6をP召喚

→P召喚時マジェスティPの効果で魔法族の里サーチ&手札コスト

→場のレベル6ヴァリアンツとグランデュークをリリースしてアルクトスをEXモンスターゾーンと同列に特殊

(→アルクトスでヴァイカントとマジェスティPを入れ替えてヴァイカント移動効果でスケールに東雲を設置)

→ヴァイカントとマジェスティPでX召喚ランク4御影志士

→御影志士効果フォッシルダイナパキケファロサーチ

→軌跡と御影志士で西園側にスプライトエルフをL召喚

→西園前進

→中央エルフリンク先にパキケファロ通常召喚

→魔法族の里発動

 

最終盤面:パキケファロによる特殊召喚封じ+魔法族の里による魔法封じ+アルクトスのフリチェ移動→西園とアルクトスによる2面除去+エルフによるパキケファロと西園への対象耐性+稀代P効果による戦闘破壊耐性1回+フィールド魔法押しつけによる泡影拮抗ケア(+パキケ破壊後の後続としてスケールに東雲)