※筆者はMDから遊戯王を始め、MDのみを遊んでいる一般決闘者です。好きなテーマの一つであるの軍貫布教のために執筆しました。
以下常体
軍貫とは
しゃりの上にネタを重ねてX召喚をすることで、寿司を再現した洒落たテーマ。通常モンスターであるしゃりの軍貫を軸に展開をし、ランク４・５のX召喚を中心に行う。
メインモンスターは手札や場のしゃりの軍貫を参照して特殊召喚できるものが多い。展開のためにはとにかくしゃりの軍貫にアクセスすることが重要なテーマである。
テーマのXモンスターには戦闘に有利な効果が多く、テーマ内ではほとんど妨害が用意できない。一方で、テーマXモンスターは共通して、対応するモンスターを素材にすると追加効果が発生し、しゃりの軍貫を素材にすると１ドローできる効果をもっている。また、Xモンスターではあるが、X素材を外す効果を所持していない。
展開に関して縛りのようなものは生じないため、場に出した軍貫モンスターや、X召喚時の１ドローなどのリソースを如何にして活用するかが、構築者の腕の見せどころになると言える。
マスターデュエルにおいては、テーマ内にUR０種、SR4種の格安デッキであるため、非常に組みやすく、遊びやすい。
今回、軍貫のテーマカードに加えて、相性のいいカード群やEXデッキの出力先のギミック例などについて思いつく範囲のものを紹介し、最後にいくつかの初動パターンをメモしておく。
テーマカード個別解説
メインモンスター
しゃり
テーマの中心。各種バニラサポートを利用できる。打点が2000あるため、そのまま殴っても強い。
赤しゃり
禁断のしゃりのかさ増し。マルファみたいなことをする超パワーカード。このパワ－カードの効果で盤面を固めていきたい。後攻では、赤しゃり効果から直接うに型二番艦を出すことで、相手の妨害を１つ踏めるといっても過言ではない。この効果にGを投げられると一気に３ドローされてしまう。X素材になるときは「しゃりの軍貫」であるため、「しゃりの軍貫」素材時の１ドローが適用されるが、X素材の状態では「赤しゃりの軍貫」であるため、しらうおの軍貫の自身を特殊召喚する効果で参照できない。
いくら
手札から特殊召喚する効果はチェーンを組まない。後攻では、しゃり召喚から無言でランク４を出せる。しらうおや海せんの効果でデッキトップにしゃりを積み込むことで、しゃりを特殊召喚or回収する効果を確実に使える。後攻では、いくら型一番艦の効果を使ってライフをとりたいため、優先度が少し高くなる。
しらうお
手札から特殊召喚する効果はチェーンを組む。いくらとは異なる。場かX素材の「しゃりの軍貫」を参照するため、X素材の赤しゃりは参照できない。意外と使いづらい。一方、素材を参照するため、Xモンスターは軍貫Xでなくてもよい。しらうお＋しらうお以外の軍貫で最低限レベル４を２体並べることができる。しゃりがない場合の召喚権の使い先。
うに
地味パワーカード。現状唯一のレベル５。手札のしゃりと２体を場に出力できるため、できる限り効果を使いたい。レベル変更効果にはなぜかしゃりのサーチがついている。強い。一方で、うららや泡影などの妨害を受けやすく、レベル５が場に残って使い道がなくなってしまう。しゃりのサーチもなくなるため、非常に苦しい。
Xモンスター
いくら型一番艦
後攻でライフを削りきる要。いくらを素材にすると２回攻撃ができる。デュガレスで打点を倍にすれば4400×2=8800で攻撃できる。ダメージ計算後の破壊効果も馬鹿にならない。うに型二番艦の直接攻撃で発動し、高打点の壁モンスターを突破してライフを削りにいく動きもできる。
１ドロー効果持ちのランク４として出して、未来龍皇の下敷きにしてもいい。
しらうお型特務艦
先攻で経由したいXモンスター。しらうおを素材にすることで、テーマ魔法罠をサーチすることができる。軍貫握りでリソースを抱えるのが通常だが、フィールド魔法をサーチすることで、パンプと耐性付与効果を活用することができる。
うに型二番艦
後攻における重要カード。現状唯一のランク５。うにの効果でレベルを合わせて出すより、赤しゃりの効果から直接出すことを狙いたい。
うにを素材にすると直接攻撃が可能になるが、うに抜きでX召喚されることはまず無い。うに型二番艦の打点を強化してライフを削りにいくこともできるが、なによりアーゼウスに繋げやすい。
自分メインと相手バトルフェイズに、フィールドのカードの効果を無効にできる。これでメインフェイズの相手の妨害を踏みやすい。先攻で出して泡影をケアすることもできなくはないが、他のランク４で展開する方が強いかもしれない。この発動可能タイミングは非常に忘れやすい。自分バトルフェイズと相手メインフェイズでは無防備になり、相手バトルフェイズで急に元気になって拮抗勝負を無効にできる。妨害をする攻めの無効効果ではなく、妨害を避ける守りの無効効果に見える。
しらうお型特務艦＋フィールド魔法を隣に並べれば、打点3400で効果破壊耐性持ちとなってちょっとでかくてやっかいな感じになる。
魔法
軍貫処『海せん』
いくら効果や軍貫Xのドローと併せてしゃりにアクセスするためのカード。軍貫Xの特殊召喚効果は保険のおまけでまぁ機会がない。フィールド魔法なので、しらうお型特務艦で盤面が堅くなる。
おすすめ軍貫握り
しらうお型特務艦からのサーチで即座に展開に生かせる可能性があるカード。効果の使用にしゃりの軍貫が必要である点、サーチ先は相手が選択する点などなど惜しい点は多いが、残れば次のターンも使える。わからんごろしをしよう。
罠
きまぐれ軍貫握り
リソース回収カード。しゃりが６枚あるため、回収する必要性が下がった。ワンテンポ遅いので余裕があれば。
テーマ外重要カード
苦渋の決断
バニラのしゃりの軍貫を落として赤しゃりの方をサーチできる公認バグ挙動カード。なによりもしゃりを手札に抱えることが重要なテーマであるため、実質必須枠。しゃりの軍貫を９枚体制にできる。墓地に送ってからその同名をサーチするため、マクロコスモス状態ではサーチが不発になる。
予想GUY
しゃりを場に出せる。シンプル手数。手札のいくらやしらうおをアクティブにできる。後引きで使いづらい点はマイナス。
ウェパルトゥ
ランク４でしゃりを手札に加えられる。しゃりを抱えることが重要なので個人的評価が高い。
アーゼウス
大将。多分一番強いカード。軍貫Xでドローをし、アーゼウスで相手のカードを流し、リソース勝負に押し勝つ返し方を狙いたい。うに型二番艦で直接攻撃が可能であり、ガイアドラグーンを重ねて４素材アーゼウスが狙えるテーマでもある。
出張ギミック
軍貫以外でも使えるランク４のギミックを中心に紹介。基本的に、妨害は汎用カードと出張ギミックにより行うものと考えてよい。デッキスロットや素引き等を考慮しながら採用したい。
※以下のギミックには筆者が使用していないものも含む。参考までに。
未来龍皇
安心と信頼の出張。ドローだけして棒立ちの軍貫Xなどから出力できる。ガガガガマジシャンで墓地のランク４を蘇生して出力するなどもでき、他ギミックとも合わせやすい。No.Xは使えないので、デュガレスやバグースカなどは素材にはできない。
FA
手軽に妨害と打点を付与する出張。これ自体はそんなに枠をとらない。軍貫Xに重ねると素材を取り外せないため、別のランク4Xモンスターを経由する必要がある。また、魔法罠の片方を素引きして素材を取り外せない状況を避けるための手段も必要といえる（自分はこの枠を兼ねてデュガレスを採用している）。
ダークナイトランサーはうに型二番艦の上に重ねてX召喚もできるため、ガイアドラグーンと同じ下敷き運用ができなくはない。
ヘルフレイムバンシー
主に未来龍皇ギミックとFAギミックのために展開力を底上げするのに採用が考えられる。
バンシー効果イフリートサーチ→フォートレス重ねてX召喚→フォートレス効果FA2枚サーチ→イフリート効果墓地のバンシーを除外して特殊召喚→除外されたバンシー効果イフリートがいるので帰還
と動くことで、ランク４からFAギミック＋ランク４＋レベル４を盤面に供給できる。イフリートは素引きでも、軍貫モンスターが炎属性であるため出力は容易い。
イフリートではなくキャンドルを採用すればチューナーを用意できる。レベル変更効果を駆使すれば、６＋４でバロネスの出力も狙える。しかし、X素材を墓地に送る効果が少なく、レベル変更効果が起動しにくい。展開力をあげる工夫をすれば採用にたるかもしれない。
斬機
ランク４の超強力出張。レベル４を２体からダランを経由するだけで、再度盤面にレベル４を２体出しながらダイア超階乗が用意できる。この次にガガガガマジシャンを出すと、そのまま未来龍皇に繋がる。ここまでテンプレ。
展開に振り切って方程式をサーチすれば、レベル４を３体並べることもできる。
スプリガンズ
とんでも展開力の出張。ランク４からチャンピオンサルガスを出してタリホー！！と叫ぶと盤面がとんでもないことになる。軍貫Xに残っているX素材を外してタリホー！！と叫んでもよい。チャンピオンサルガス＋サルガスで２妨害構えてもいいし、ランク８の出力に繋げてもいいし、さらなるランク４の展開に繋げてもいいし、なんならラドンまでなんでもできる。チャンピオンサルガスのセルフバウンス効果で、おすすめ軍貫握りを使い回せるという情報をどこかで見た。
ホープ
ランク４といえばのお方達。ホープダブルからダブルアップワンパンであったり、ライオホープレイの出力であったり、ドラグナー経由のNo.Xの出力であったりが可能である。
初動パターン
軍貫というデッキはネタが揃っているほど展開ができるデッキである。組み合わせ前提のため、テーマのメインモンスターは最大限採用して手札に揃えたい。以下の初動パターンは最低限の動きをするためのものである。他に強い動きが用意できる場合はそちらを使うべき。
ここで出てくる「しゃり」は、指定がなければ赤しゃりでもどちらでもよい。
しゃり＋うに
- うに効果で手札のしゃりを見せて自身を特殊召喚、手札のしゃりを特殊召喚
- うに効果で自身のレベルを４に下げ、デッキから赤しゃりをサーチ
- うに＋しゃりでウェパルトゥをX召喚
- ウェパルトゥ出たときしゃりをサーチorサルベージ
- 赤しゃり効果で手札のしゃりを見せて自身を特殊召喚、デッキからしらうおを特殊召喚し、しらうお型特務艦をX召喚
- しらうお型特務艦出たとき１ドロー＆おすすめ軍貫握りサーチ
- おすすめ軍貫握り発動、手札のしゃりを見せてデッキからいずれかのネタをサーチ
- サーチがうに以外ならば手札にあるしゃりとサーチしたネタでレベル４を２体出力可能
赤しゃり＋しゃり
- 赤しゃり効果で手札のしゃりを見せて自身を特殊召喚、デッキからしらうおを特殊召喚し、しらうお型特務艦をX召喚
- しらうお型特務艦出たとき１ドロー＆おすすめ軍貫握りサーチ
- おすすめ軍貫握り発動、手札のしゃりを見せてデッキからいずれかのネタをサーチ
- 手札にあるしゃりとサーチしたネタでレベル４を２体出力可能
しらうお＋いくら
- しらうお召喚（召喚権使用）
- しらうお効果で手札のいくらを特殊召喚＆デッキトップに赤しゃりを積み込み
- いくら効果でデッキトップの赤しゃりを手札に回収
- しらうお＋いくらでウェパルトゥをX召喚
- ウェパルトゥ出たときしゃりをサーチorサルベージ
- 赤しゃり効果で手札のしゃりを見せて自身を特殊召喚、デッキからしらうおを特殊召喚し、しらうお型特務艦をX召喚
- しらうお型特務艦出たとき１ドロー＆おすすめ軍貫握りサーチ
- おすすめ軍貫握り発動、手札のしゃりを見せてデッキからいずれかのネタをサーチ
- サーチがうにならば手札にあるしゃりと２体出力可能
しらうお＋うに
- しらうお召喚（召喚権使用）
- しらうお効果で手札のうにを特殊召喚
- うに効果で自身のレベルを４に下げ、デッキから赤しゃりをサーチ
- レベル４×２でEXから展開（ウェパルトゥから赤しゃり効果に繋げてもよいが、うにのレベル変動効果が使用済みなため、おすすめ軍貫握りのサーチから追加のランク４展開が望めない）
しゃり＋いくらorしらうお
- しゃり召喚（召喚権使用）
- 場にしゃりがいるので手札からいくらorしらうお特殊召喚
- レベル４×２でEXから展開
うに＋いくらorうに
- うに効果で手札のいくらorうにを見せて自身を特殊召喚、手札のいくらorうにをデッキに戻す。
- うに効果で自身のレベルを４に下げ、デッキからしゃりをサーチ
- しゃり召喚（召喚権使用）
- レベル４×２でEXから展開
最終盤面例
画像は自分がよく使う展開。うにの効果、赤しゃりの効果、しゃり＋いくらorしらうおといった動きでランク４を３体分出力して、２ドローを挟んで誘発と後続を手札に抱えることを目指す。出張ギミックはFAと未来龍皇のみ採用。メインの必要スロットが少なく、ライフを削るのに大きく貢献する。
ランク４が１体だけしか出せない初手が少なくないため、最低限のプランは必要。
まとめ
軍貫はバニラモンスターであるしゃりの軍貫を中心としたXテーマであり、ランク４の出力とドローによるリソース確保能力に長けている。テーマ内ギミック自体は非常に単純である故、出張ギミックや汎用札を積極的に採用するデッキであり、構築者の色が出るテーマである。ビジュアルも面白く、テーマカードは安価で集めやすいため、気軽に組んで遊んでみてほしい。
